自宅の建て替えに必要な仮住まい期間は?
古くなった家を解体して新しく家に建て替える場合、建て替え期間中は自宅に住めないため、仮住まいを準備する必要があります。
建て替えの工期は解体を含めておよそ4ヵ月~1年半程度です。解体工事に1ヵ月程度、新築工事に3ヵ月~1年半程度の期間を要します。工期が延びる可能性も踏まえて、余裕を持って、仮住まい期間を設定しておくと良いでしょう。
建て替え後の家に入居できるまでの仮住まいといえども最低でも数ヵ月は住むので、仮住まい期間中落ち着いて過ごせるようにしっかりと準備をすることが大切です。
仮住まいを探すときのポイント
仮住まい物件は数が限られています。ほとんどの場合、申し込みは先着順ですので、住みたいと思える物件に出会った場合にすぐ決めることができるよう、事前に仮住まいの希望条件を整理しておきましょう。さらに条件について優先順位を決めておくと、物件探しをスムーズに進めることができます。
ここでは、仮住まいを探すときのポイントをお伝えします。
仮住まい期間は余裕を持って設定する
仮住まい用の賃貸物件の場合は通常の賃貸と異なり、定期借家契約を用いることがほとんどです。定期借家契約では、あらかじめ期限を決めて契約を締結しなければならず、原則として契約の更新はありません。
建て替え期間中に仮住まいの賃貸契約が終了してしまうことのないよう、建て替えの工期+1ヵ月程度の余裕をもった賃貸期間を設定しましょう。
トータル費用で考える
仮住まいでは家賃だけでなく、敷金・礼金などの諸費用、引越し費用がかかります。また、建て替えの場合は、自宅から仮住まい先、仮住まい先から自宅への2回分の引越し費用がかかります。さらに、ペットとともに入居する場合は、退去後の原状回復費用が多くかかるため、敷金の上乗せなど通常よりも費用がかかる場合があります。これらの費用も含めてトータルの費用を確認しておきましょう。
仮住まいでは、一括前払いでの支払いを求められる場合もあります。多くの場合、住宅ローンを仮住まいに充てることはできません。仮住まいにかかる費用は、工事費用とは別に現金で用意しておく必要があります。
- <仮住まいの際に必要な費用>
- 家賃・管理費
- 毎月支払う費用で、物件によって異なります。仮住まいの場合は通常の賃貸と相場が異なる場合があります。月途中の入退去のとなる場合は日割計算を行って精算することが一般的です。
- 敷金
-
家賃1~2ヵ月分が一般的です。ペットと入居する場合は、通常よりも1ヵ月分上乗せとなる場合があります。
敷金は、退去時にかかる原状回復費用をまかなうために、事前に預ける費用です。原状回復費用が敷金を下回った場合は差額が返金され、万が一超過した場合は追加で請求されます。
敷金が0円の場合は、退去時に原状回復費用を用意しなければなりませんので、家賃1ヵ月程度の資金を別途用意しておきましょう。 - 礼金
- 家賃1~2ヵ月分が一般的です。貸主に御礼として支払う費用で、敷金のように返還されることはありません。
- 仲介手数料
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家賃1ヵ月分+消費税が一般的です。
貸主ではなく不動産仲介会社に支払う費用で、物件の契約締結のタイミングで支払います。 - 住宅保険料
-
一括前払いとなることが多く、年間1万円前後です。
賃貸住宅へ入居する際は、入居者自身の家財を守るための「家財保険」、貸主に対しての賠償責任に備えるための「借家人賠償責任保険」、日常生活における賠償責任に備えるための「個人賠償責任保険」の3つの保険に加入しておきましょう。
賃貸住宅向けの保険では、「火災保険」として家財保険と借家人賠償責任保険がセットになっていることが多く、個人賠償責任保険については特約となっていることもあります。
なお、地震による損害は火災保険では補償されないため、火災保険とあわせて地震保険を契約しましょう。 - ※このほかにも鍵交換代やハウスクリーニング代が必要となることがあります。
トランクルームを活用して仮住まいの広さを確保する
まずは手持ちの家具や電化製品など生活に必要な最低限の荷物がおさまる広さはどのくらいか、確認しましょう。仮住まい先の間取りは現状にこだわらず、個室を共有するなどして選択肢を増やすことも検討しましょう。
建て替えにおいては、家の中のすべての荷物を出さなければなりません。ただし、仮住まい期間が半年程度の場合、すべての季節ものを仮住まい先に持っていく必要はありません。仮住まい先で使用しないものをトランクルームで保管すれば、仮住まい先の広さを必要最低限に抑えることができます。
ペットや駐車場などの条件は最初に伝える
ペット同居希望や駐車場が必要な場合は、仮住まい探しの不動産会社を通してまたは貸主に直接、最初に伝えておきましょう。話が進んでから伝えると、契約を断られたり、交渉が難航したりして、仮住まいが決まるまでに時間がかかる可能性があります。
駐車場が必要な場合は大きさと車種を事前に伝えておきましょう。駐車場があっても大きさが合わない場合もあります。マンションなど集合住宅の駐車場や月極駐車場は空き状況が変化するため、早めに押さえておくことが重要です。
同居するペットがいる場合は、貸主の了承を得る必要があります。不動産会社には「ペット入居可能な物件」を仮住まい物件の条件としてあらかじめ伝えておき、入居申込の際もペット同居である旨を貸主に伝えましょう。
ペット入居可能な物件であっても、「小型犬1匹まで可」などと制限している場合もあります。犬や猫などの種類と多頭飼いの場合はその旨も必ず伝えましょう。
子どもの学区優先なら早めに探し始める
学区制の地域で学校に通学している子どもがいる場合、なるべくなら学区内で仮住まいをしたいと考えるでしょう。賃貸物件の中でも仮住まい可能な物件を見つけることは難しく、エリアを絞るとさらに難易度は上がります。余裕を持って早めに仮住まい探しを始めることはもちろん、家賃や広さなど他の条件を緩和することも検討しましょう。
なお、子どもの学区が変わる場合でも、仮住まい期間中も引き続き現在の学校への通学が認められる場合があります。まずは、自宅の建て替えによる一時的な引越しがあることを学校に相談し、学区外でも通える範囲に仮住まい物件を探すエリアを広げてみるのもひとつです。
建て替え時の仮住まいの選択肢
建て替え期間中の仮住まいにはいくつかの選択肢がありますが、入居人数が多いほど選択肢は限られます。
通常の賃貸物件でも短期間での解約は可能ですが、物件によっては違約金が設定されていることもあります。注意して契約しましょう。
マンスリーマンション
月単位で契約します。保証人が不要な物件やライフラインの開栓手続き不要な物件が多く、一般的な賃貸住宅よりもスムーズに入居できることが多いです。
家具・家電が設置されていることがほとんどですので、自らの荷物はトランクルームへ預け、建て替え期間中は身軽に生活するという選択になるでしょう。
ただし、単身者向けのプランが多く、4人以上が入居可能なプランは非常に少ないです。
また、ほとんどの物件がペット飼育不可となっているので、ペットがいる場合は知人に預かってもらうか、別途ペットホテル等を手配する必要があります。
- マンスリーマンションのメリット
- ・一般的な賃貸住宅に比べて入居時の手続きが少ない
- ・家具や家電が設置されているので、仮住まい先へ搬入する荷物を減らせる
- マンスリーマンションのデメリット
- ・単身者向けの物件がほとんどでファミリー物件が少ない
- ・ペット飼育できない物件が多い
短期賃貸住宅(仮住まい専用物件)
短期間に限定した賃貸期間を設定するため、家賃に対して間取りや広さがあり、割安な物件も存在します。オーナーが転勤中の自宅を賃貸物件として貸し出している場合もあり、アパートやマンションだけでなく、一戸建ての物件もあります。
ほとんどの場合は手持ちの家具をすべて持ち込むことができるため、建て替え期間中も手元に荷物を置いておくことができます。
- 短期賃貸住宅(仮住まい専用物件)のメリット
- ・ファミリー物件や戸建など複数人で入居可能な物件が多い
- ・ペット飼育可能な物件もある
- 短期賃貸住宅(仮住まい専用物件)のデメリット
- ・ライフラインは自分で契約しなければならない
- ・1~2か月の超短期間での賃貸契約が可能な物件は少ない
仮住まい費用のシミュレーション
マンスリーマンションと短期賃貸住宅の仮住まい費用の目安を比較してみましょう。
仮住まい期間は8カ月、マンスリーマンションはファミリータイプが少ないため2LDK+トランクルームでの仮住まいを想定、短期賃貸住宅では3LDKの物件での仮住まいを想定します。
費用 |
マンスリーマンション ( 2LDK [家具家電備品付] ) |
短期賃貸住宅 ( 3LDK [エアコン付] ) |
---|---|---|
家賃 | 240,000円/月 | 200,000円/月 |
管理費等 | 700円/日 | - |
敷金 | - | 200,000円/月 |
礼金 | - | 200,000円/月 |
仲介手数料 | - | 200,000円/月 |
住宅保険料 | - | 11,000円 |
トランクルーム(4帖) | 25,900円/月 | - |
8カ月(243日)総額 | 2,297,300円 | 2,211,000円 |
※2024年9月当社調べ
仮住まいは初期費用がかさみますが、長期になるほどお得になります。また、初期費用のうち敷金においては、原状回復費を差し引いた残金は返金されます。賃料は物件によって異なりますが、敷金や礼金などの費用は一般的な賃貸物件と同程度です。
一方、マンスリーマンションではインフラは契約済みで家具家電が付帯しており、入居後すぐに荷物が届かなくても生活できます。ただし、家具家電を既に所有している場合は、トランクルームに収納しなければならず、その分の費用がかさみます。また、トランクルームへ別途荷物を運びこまなければならないため、手間や引越し費用がかかります。
仮住まいの探し方
仮住まい向けの物件は、一般的な賃貸物件に比べて非常に少ないです。建て替えにおいては、新居についての打ち合わせもあり、仮住まい探しだけに時間を割くことは難しいでしょう。自力で探すのでなく、仮住まい専門の不動産屋に依頼することで、効率よく進められます。
インターネットで検索する
不動産ポータルサイトの賃貸物件は、ほとんどが長期的な入居を想定しており、多くの場合は建て替えのための仮住まいなどの短期間の入居希望は断られてしまいます。「定期借家契約」で検索することで、期間を限定して貸し出している物件を絞り込むことができますが、賃貸可能な期間は数か月~数年と物件によって大きく異なります。
マンスリーマンションは専門のポータルサイトがいくつかあり、それぞれエリアや条件を絞り込んで探すことができます。中には物件の検索から契約までネット上で手続きを完結できるサイトもあります。
ただし、ファミリー向け物件は非常に少なく、単身者向け物件がほとんどです。
地域の不動産屋で探す
エリアを限定して仮住まいを探している場合は地域の不動産屋に仮住まい可能な物件がないか聞いてみるという選択肢もあります。地域密着の不動産屋ならではの情報が得られるかもしれません。
ただし、ポータルサイト同様に長期的な入居を想定した賃貸物件の取り扱いが多いため、短期間の賃貸は敬遠されることがほとんどです。
仮住まい専門の不動産屋で探す
仮住まい専門の不動産屋では、日々仮住まい物件の情報を収集しています。短期賃貸物件を取り扱っているだけでなく、通常の賃貸物件に対しての仮住まい交渉や礼金・仲介手数料のかからない物件の紹介も行っています。
仮住まいの契約実績があり、仮住まい情報も集約されているため、効率よく仮住まい探しを進めることができます。
仮住まい探しは余裕をもったスケジュールで
世帯人数が多く広い家が必要な場合、ペットの飼育や学区などの条件が増えるほど、物件探しも難航します。
建て替えの場合は、自宅の解体開始までに仮住まいに引っ越す必要があり、工期を遅らせないためにも早めの行動が重要となります。建て替えの計画と同時に仮住まい探しも進め、仮住まい先に入居する1か月半~1か月くらい前を目安に物件を絞りこんでいきましょう。
![仮住まいのスケジュール](/img/blogindex/under-rebuilding_img01.jpg)
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